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【熊本の経営者様へ】融資審査を突破する事業計画書|金融機関が唸る「一貫性」の作り方

企業経営

2025.10.15

はじめに

熊本で地域に根ざし、日々奮闘されている中小企業の経営者の皆様。

「新しい機械を導入して生産性を上げたい」 「事業拡大のために、新たな人材を採用したい」 「厳しい状況を乗り越えるため、運転資金を確保したい」

このような前向きな想いを実現するため、金融機関からの融資を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、その想いを込めて作成したはずの事業計画書が、期待したような評価を得られず、頭を抱えてしまうケースは少なくありません。

熊本で事業を経営する中で、「熱意を込めて事業計画書を作ったのに、なぜか良い反応が得られない…」そんなご経験はありませんか?実は、金融機関が最も重視するのは、社長の「想い」だけではなく、市場、競合、自社の強みが数字にまで落とし込まれた「整合性と一貫性」です。

本記事では、数多くの熊本の中小企業の資金調達を支援してきた経営コンサルタントが、融資審査の壁を突破し、未来への投資を引き出すための事業計画書の勘所を、具体的に解説します。私たち中小企業診断士は、あなたの会社の経営支援パートナーです。

なぜあなたの事業計画書は金融機関に響かないのか?

「想い」や「夢」だけでは資金調達できない現実

「この事業で熊本を元気にしたいんです!」
「うちの技術はどこにも負けません!」

経営者様の熱い想いは、事業の原動力であり、何よりも尊いものです。しかし、融資審査の場において、残念ながら想いだけではお金を借りることはできません。金融機関の担当者は、投資家です。彼らは「この会社に融資をして、きちんと返済してもらえるだろうか?」という視点で、あなたの事業計画書を冷静に、そして客観的に評価します。

彼らが知りたいのは、あなたの「夢」の大きさよりも、「夢を実現するための具体的な道筋と、その道筋の妥当性」なのです。

熊本の金融機関担当者が見抜く「整合性の欠如」とは

融資担当者が事業計画書で真っ先に確認するポイント、それが「整合性」と「一貫性」です。例えば、以下のような計画書は「整合性がない」と判断されがちです。

・「市場は拡大傾向にある」と書かれているのに、売上計画が控えめすぎる(または、その逆で根拠なく強気すぎる)。

・「高品質なサービスが強み」と謳いながら、価格設定が安すぎる。

・「大手にはない小回りの良さが武器」と言いながら、大手と同じような広告戦略を計画している。

これらは、事業を取り巻く外部環境(市場・競合)と、内部環境(自社の強み・戦略・計数計画)が、ちぐはぐな状態です。熊本の金融機関の担当者は、日頃から多くの地元企業を見ています。そのため、地域の市場感覚や業界の常識からかけ離れた計画は、すぐに見抜かれてしまうのです。

「市場・競合・自社」の一貫性を示すコンサルティング視点

では、どうすれば「整合性」のある事業計画書を作成できるのでしょうか。コンサルティングの現場で私たちが重視しているのは、「市場」「競合」「自社」の3つの要素を一貫したストーリーで繋ぐことです。

市場の需給と価格設定の「納得感」をどう示すか

「この商品を、この価格で、どれくらい売れるのか?」これを客観的なデータで示す必要があります。

市場規模と需要: 例えば、「熊本市の〇〇エリアでは、近年共働き世帯が増加しており、時短に繋がる高品質な冷凍食品の需要が年間〇〇円規模で見込まれる」といった、公的な統計データや調査レポートを引用します。

価格の妥当性: なぜその価格なのか?を説明します。「競合のA社は〇〇円だが、当店は国産素材にこだわる分、原価が〇〇円高い。しかし、健康志向の強い30代女性層には、この付加価値が〇〇円高くても受け入れられるという調査結果がある」というように、競合価格と自社の付加価値を明確に比較し、価格設定に「納得感」を持たせることが重要です。

大手との差別化ポイントを「強み」として言語化する方法

多くの中小企業が大手との競争に晒されています。ここで重要なのは、「価格」以外の土俵で戦うことです。

大手にはできないこと: 「大手企業は対応に時間がかかるが、うちは社長直轄のチームが24時間以内に対応できる体制を整えている」といった、スピードや柔軟性。

地域密着の強み: 「熊本県産の希少な〇〇を独占的に仕入れるルートを持っている」「創業50年、地域の皆様との信頼関係が強み」といった、地域に深く根ざしているからこその優位性。

これらの「大手との差別化ポイント」こそが、あなたの会社の本当の「強み」です。事業計画書では、この強みを具体的に言語化し、それがどのように売上に繋がるのかを論理的に説明する必要があります。私たちのような経営コンサルタントは、経営者様との対話を通じて、こうした埋もれた強みを発見する経営サポートを得意としています。

説得力を倍増させる損益計算書とキャッシュフロー計画のコンサルティング

言葉で書かれた戦略がどれだけ素晴らしくても、それが数字、特に「損益計算書」と「キャッシュフロー計画」に落とし込まれていなければ、絵に描いた餅に過ぎません。

絵に描いた餅で終わらせない!売上計画と損益計算書の連動性

損益計算書は、会社の健康診断書のようなものです。ここで重要なのは、売上計画と、それにかかる費用(原価、人件費、広告宣伝費など)が現実的に連動しているかです。

「広告宣伝費を去年の2倍にするから、売上も2倍になる」というのは、あまりに安易です。
「広告費を〇〇円投下し、Webサイトへのアクセスが〇〇件増え、成約率〇%で〇〇件の受注を見込む。その結果、売上が〇〇円増加する」というように、行動計画と数字が具体的に結びついている必要があります。中小企業診断士は、このような実現可能な計数計画の策定を支援します。

「お金はどこに消えた?」を防ぐ、現実的な資金繰り・キャッシュフロー計画

「利益は出ているはずなのに、なぜか手元にお金がない…」これは「勘定合って銭足らず」と呼ばれる、中小企業によくある悩みです。いわゆる黒字倒産のリスクです。

融資担当者は、損益計算書上の利益(P/L)だけでなく、実際のお金の流れ(キャッシュフロー)を厳しくチェックします。売上が発生しても、入金が2ヶ月後であれば、その間の仕入れや給与の支払いは手元の資金で賄わなければなりません。

いつ、いくら入金されるのか?

いつ、いくら支払いがあるのか?

融資された資金は、いつ、何に使われ、いつから回収が始まるのか?

これらを時系列で具体的に示した資金繰り表は、あなたの会社の返済能力を示す上で、極めて重要な書類となります。

事業計画書作成をコンサルティングに依頼するメリット・デメリット

専門家の力を借りることも、有効な選択肢の一つです。ここで、コンサルティングに依頼する際のメリットとデメリットを正直にお伝えします。

メリット:客観的な視点と専門知識で、計画書の説得力を最大化する

最大のメリットは、金融機関の視点を熟知した専門家が、客観的な立場で計画をブラッシュアップしてくれることです。

客観性: 経営者自身では気づきにくい事業の弱みや計画の矛盾点を指摘してくれる。

専門知識: 補助金や助成金の活用など、自社だけでは得られなかった情報を提案してくれる。

時間的コストの削減: 経営者様が本来の業務に集中できる。

特に熊本の金融機関の傾向や地域経済の動向を踏まえたアドバイスは、地域密着型の経営コンサルタントならではの価値です。

デメリット:費用は?丸投げで「自分の事業」でなくなるリスク

ちろん、デメリットも存在します。

費用: 当然ながらコンサルティング費用が発生します。

依存のリスク: 専門家に任せきりにしてしまうと、計画が「他人事」になり、経営者としての当事者意識が薄れる危険性があります。

重要なのは、コンサルタントに「丸投げ」するのではなく、「伴走者」として活用することです。あくまでも事業の主体は経営者様ご自身。その想いやビジョンを専門家の知識とスキルで「形にする」というスタンスが成功の鍵です。

熊本での経営支援:計画書作成後も続く伴走型コンサルティング

私たちは、事業計画書を作成して「はい、終わり」というお付き合いはいたしません。なぜなら、資金調達はスタートラインに立ったに過ぎないからです。

資金調達はゴールではない!実行段階での経営サポートの重要性

計画通りに事業を進める中で、必ず予期せぬ問題は発生します。売上が計画に届かない、想定外のコストが発生した、など。そんな時、計画と実績の差異(予実管理)を分析し、迅速に次の一手を打つことが重要です。私たちは、定期的なミーティングを通じて、計画の実行段階まで責任を持って経営サポートを続けます。

計画の実行が「社員の一体感」を生み、人材採用支援にも繋がる

明確な事業計画は、金融機関だけでなく、社内に向けても絶大な効果を発揮します。

会社がどこを目指しているのか、そのために今何をすべきなのか。経営者のビジョンが具体的な計画として全社員に共有されることで、社員の一体感が醸成されます。社員一人ひとりが自分の仕事の意味を理解し、同じ目標に向かって進む組織は、非常に強いです。

また、魅力的な事業計画は、人材採用支援の面でも強力な武器となります。「この会社で働きたい」「このビジョンを一緒に実現したい」と思ってもらえるような、未来への羅針盤となるのです。

まとめ

金融機関から融資を引き出す事業計画書とは、決して難解なものである必要はありません。大切なのは、

市場の需給と価格設定に納得感があること

競合、特に大手との差別化(自社の強み)が明確であること

それらの戦略が、損益計算書やキャッシュフローといった計数計画と一貫していること

この「整合性と一貫性」こそが、あなたの事業の将来性を雄弁に物語るのです。

もしあなたが今、一人で事業計画書の作成に悩み、資金繰りに頭を痛めているのなら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

私たちは、ただ計画書作成を代行するだけのコンサルティング会社ではありません。熊本の中小企業に寄り添い、経営者様の想いを「金融機関に響く言葉と数字」に翻訳し、資金調達の実現からその先の事業成長まで、二人三脚で伴走する経営支援パートナーです。机上の空論ではない、現場で活きるサポートをお約束します。

初回のご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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