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情熱と思考の枠組みを超えることの重要性

企業経営

2025.07.02

先日、ビッグバン塾のフェローの会に参加させていただきました。

その時にお話させた内容を自分なりに解釈してまとめたいと思います。

中小企業のコンサルタント(中小企業診断士)に必要な素養

「やり方」に走る似非コンサルタントたち

「●●式経営法」「たった○○のステップで成功」──そんなフレーズが溢れる昨今。中小企業の経営者にとって、本当に必要なのはテンプレ化されたやり方でしょうか?

私たちが現場で接する経営者たちは、日々命がけで判断をし、社員の人生を背負いながら事業を継続しています。机上の空論では動きません。本当に必要なのは、その経営者に“寄り添える在り方”を持つ者です。

「あり方」とは何か?

「あり方」とは、言い換えれば、クライアントに対する“姿勢”であり、“覚悟”です。

この人のために役に立ちたい

何としてでも結果に結びつけたい

できることは全部やる、絶対に手を引かない

そんな熱意と責任感が、言葉の節々、行動の一つひとつににじみ出る。それが「あり方」です。

コンサルタントという仕事は、決して“提案して終わり”ではありません。クライアントの経営に並走し、時には先回りし、ともに汗をかく。経営者の孤独を分かち合い、意思決定を支える。その覚悟がないなら、支援者を名乗る資格はないとさえ思っています。

「当たって砕けろ」の精神

もちろん、全てがうまくいくとは限りません。しかし、うまくいくかどうかよりも大事なのは「全力で取り組んだかどうか」です。手を抜かず、逃げず、困難にも正面からぶつかっていく——それが“本物のコンサルタント”の姿ではないでしょうか。

「当たって砕けろ」でいい。失敗しても、学び、次に活かす。だからこそ、経営者も信頼してくれるのです。

似非コンサルタントを駆逐する

資料を作るだけ、補助金だけ申請する、理論だけを語る……。そういう“似非コンサルタント”が増えています。

我々がすべきことはただ一つ。
「本気で、全力で、覚悟を持って、貢献し続ける」こと。

熱意を持って、役に立ちたいという想いを絶やさず、成果にこだわる。それが結果として、似非コンサルを自然と駆逐していくのだと思います。

「覚悟」は、態度に出る

どんな資格を持っているかよりも、どんなツールを使うかよりも、
「あなたが本気かどうか」が、すべてを決めます。

中小企業の経営者は本物を見抜く目を持っています。だからこそ、やり方にとらわれず、「あり方」を磨き続ける。それが、真に求められる支援者の姿勢だと、私は信じています。

価値と価値を組合せ新しい価値を創造する

コンサルタントの本質的な役割は、知識や知恵を提供することではありません。
価値と価値を組み合わせ、まだ世の中にない「新たな価値」を創造することです。

ある経営者が持っている技術と、別の業界で使われている販売手法。
地方の課題と都市部のトレンド。
人の強みと仕組み。
——これらを掛け合わせることで、単体では成し得なかった未来を切り拓くことができます。

つまり、コンサルタントは“引き出す人”であり、“つなぐ人”であり、“掛け合わせる人”なのです。

経営コンサルタントの真髄は「個別具体」の追求

よくありがちな誤解に、「経営には正解がある」「フレームワークを当てはめればうまくいく」というものがあります。しかし、中小企業においてはそれが通用しません。

経営者の背景、事業の成り立ち、抱える悩み、現場の空気感──
それらは一社ごとにすべて異なります。

したがって、経営コンサルタントがやるべきことは、「個別具体的な経営課題を、個別具体的な手法で、個別具体的に解決すること」です。

これは非常に手間がかかるし、時間もかかるし、正解がひとつではありません。
だからこそ、「覚悟」と「熱意」が求められます。

一切手を引かない。貢献する覚悟を持て

経営支援において、途中で手を引いたり、うまくいかないときに責任を転嫁するようでは、信頼される存在にはなれません。

我々が掲げるべきスタンスは、
「一切手を引かない」
「とことん寄り添う」
「お役に立ちたい、貢献したいという純粋な想いを持ち続ける」

それこそが、似非コンサルタントには決して真似できない“あり方”です。

最後に──模倣できない支援者へ

コンサルタントは、万能な正解を持っているわけではありません。
しかし、経営者と向き合い、学び続け、信頼を重ねながら、
その企業の“本質的な強み”を活かして未来をつくる伴走者であるべきです。

あなたが本気で貢献したいと思える経営者と出会えたとき、
その「あり方」が、結果として大きな成果を生み出します。

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